昨今、様々な場面で企業がアニメーションを活用しているのを見かけます。
その活用シーンは商品紹介や採用広報、ブランディングまで多岐に渡っています。
実際に映像制作会社として、弊社も多くのお客様からアニメーションをオーダーされることがあります。
万能に思えるアニメーションですが、その性質までじっくりと考えたことはありますか?
今回は企業がアニメーションを使って動画制作をするときのメリットや注意点を詳しく解説していきます。
目次
アニメーションとは
アニメーションとは、表現手法のうちの1つです。
実写の動画と対比して語られることが多いですが、アニメーションならではのメリットとポイントをご紹介します。
アニメーションのメリット
アニメーションを使用することで得られるメリットとはどのようなものなのでしょうか。
まずは「実写とは異なるインパクトが狙える」という点です。
イラストのトーン&マナーや、キャラクターや物の動きまでデザインが可能なため、視聴者の注意を引くような演出を設計することが可能です。
またグラフや数字など抽象的な情報を伝えたいときも、アニメーションを使用することで視覚的に伝達が可能になり、情報の分かりやすさを増すことができます。
次に「実写ではできない表現描写が可能になる」という点です。
例えば動物のキャラクターに会話をさせたり、宇宙を旅したりというような、実写では描写ができないストーリーも制作可能です。
リアルな人間が演じるとチープになってしまいがちな世界観なども、アニメーションであれば成立させることができます。
「ストーリーを組み立てやすい」というのもアニメーションのメリットの一つです。
例えば大勢のエキストラを用意し一斉に出演させたり、キャストが新体操の大技を披露したりするシーンを撮影したいと考えているとします。
ドラマで行おうとすると、たくさんのエキストラ一人ひとりに演技をつけて回ることになり、演出に大変な時間がかかります。
また大技を決めるにはキャストの力量も必要になり、適性のある人物を探してキャスティングしなければなりません。
思い描いたストーリーを実現するのに、アニメーションの方が適している場合もあると言えます。
アニメーションを選ぶときのポイント
企業の動画においてアニメーションをあえて選択するときには、「その動画の目的を検討する」というのがポイントです。
どんな内容を誰に伝えたいのかという目的をよく考えたうえで、表現手法として適していると思ったときにアニメーションを用いるのが良いでしょう。
例をいくつか挙げてみます。
- 事業の紹介動画で、そのサービスが社会貢献した未来の様子を描きたい
- 企業のブランディング動画で、企業理念に合わせて世界観を作り込みたい
- サービスの機能説明動画で、使用方法をグラフィカルに解説したい
このような時に、アニメーションという手法が向いていると判断できます。
いま一度、動画の目的を振り返ってみてください。
アニメーションの種類
次にアニメーションの種類を解説していきます。
アニメーションの種類を分ける大きな要素として、キャラクターやイラストの動かし方があります。
この動かし方によって、出来る表現や制作上の作業量が変わってきます。
アニメーションという表現手法を理解するために、動かし方の違いを押さえておきましょう。
手描きアニメでは、手で作画した一連のキャラクターやイラストをコマ送りにして動かしています。
キャラクターの動きを自然に見せることが可能で、ドラマチックな印象を与えることができます。
テレビCMやweb動画などで採用されています。
手描きのアニメーションでも、できる限りセル画を減らし目や口の動きで表現をする方法もあります。
対して、静止画に編集ソフト上で変形や効果をかけることで動きをつけるアニメーションもあります。それがモーショングラフィックスです。
SNS広告や商品・サービス紹介動画などで活用されることが多い表現手法です。
またグラフや図表、数値などに動きを加え、情報を視覚的に見せることに特化した動画もあります。
これをインフォグラフィックスと言います。
アニメーション制作で注意したいポイント
企業でアニメーションを制作したいと考えたとき、注意したいポイントがあります。
このポイントをあらかじめ知っておくことで、制作時の失敗を回避することができるでしょう。
イメージのすり合わせが難しい
アニメーションの制作を始めるときに、まず気をつけたいのは「アニメーションはイメージのすり合わせが難しい」という点です。
先ほど紹介した動かし方や作画方法などもそうですが、キャラクターデザインやトーン&マナーなど、認識を統一しておく必要がある項目が多岐に渡ります。
制作を始める前に社内の担当者間、そして制作会社のスタッフとも、イメージの共有をしっかりしておきましょう。
出来上がりに関わる大切なポイントです。
費用に幅がある
アニメーションは実写よりも費用を安く制作することができると考えられがちですが、実際のところそうとは限りません。
アニメーションと一口にいっても、その費用感には幅があります。
滑らかに動くアニメーションを作るためには、例えば口を動かすモーションに最低3枚のセル画が必要になります。
作画枚数が増えればその分作業量も増えますから、コストも当然かさんでいくわけです。
またデザインに力を入れようと、有名なキャラクターデザイナーに依頼をすることにすれば費用は高くなります。
一方で、モーショングラフィックスは比較的安価に制作が可能と言われています。
アニメーションを検討する際は、費用感も頭に入れて手法を選択するようにしてください。
目的に対して向き不向きがある
最後のポイントは「目的に対して向き不向きがある」ことです。
つまりアニメーションという手法が適さない動画というのも存在するということです。
企業が作る動画には目的、伝えたい内容、ターゲットが必ず存在します。
この3点を第一に考えることを前提とするべきなのです。
そうしたときに表現手法がアニメーションだと、伝えたい内容がうまく伝えられないという場合が出てきます。
例えばターゲットが医師の動画があったとして、そのしつらえにアニメーションは適しているでしょうか。
また想定される視聴者が子供だからと言って、内容に関係なくアニメーションを選択してはいませんか。
安易にアニメーションを選ぶ前に、先入観や決めつけがないか立ち止まって考えてみてください。
まとめ
アニメーションには様々なメリットがあり、注意ポイントを把握していれば、動画の効果を引き出してくれる手法の1つです。
まずは動画の目的をよく吟味し、適切な表現であるかを検討することを欠かさないでください。
弊社ではアニメーション制作についてご相談を受け付けています。
お気軽にお申し付けください。