いま注目のブランデッドムービーとは?ポイントや事例も紹介 | MOTION.net

いま注目のブランデッドムービーとは?ポイントや事例も紹介

企業や自治体の多くが動画を様々な場面で活用している現代ですが、なかでもその理念やブランド感を表現、発信するための動画もよく見かけるようになってきました。

そのなかでもブランデッドムービーという手法がトレンドとなっていることをご存じでしたか。

今回はブランデッドムービーをテーマに簡単な解説と、事例を紹介していきます。

ブランデッドムービーとは

ブランデッドムービーとは、企業や自治体、学校などのブランド感や理念を感じさせるようなストーリー性のある動画のことを指して言います。

単なる製品・サービスのプロモーションや、ストーリー性があっても理念や姿勢を表現できていないものは、ブランデッドムービーとは異なります。

ストーリー性のある動画であるため、ショートムービーなどのドラマ仕立てのものが多い傾向にありますが、中にはドキュメンタリー形式で見せるものや、実写ではなくアニメーションを用いたものまで、表現手法は様々です。
公開はデジタル配信(動画配信プラットフォームやHP、SNSなど)で行われる場合が多く、TVCMとはその点で差別化されています。

流行の動画活用 ブランデッドムービー

ブランデッドムービーは多くの企業、自治体、学校などが取り組んでいる施策で、トレンドの動画活用の一種になっています。

経済産業省が「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤強化事業費補助金(通称:J-LOD、Japan content LOcalization and Distribution)」として、ブランデッドムービーに対して補助金を支給する政策も実施するほどです。

これほどまでにトレンド化している理由は何なのでしょうか。

「テレビ離れ」

1つ目の理由に、生活者の「テレビ離れ」が挙げられます。

人々の多くがテレビを視聴する時間が短くなったために企業や自治体にとっての生活者、消費者との接点はWebへと移行してきています。
コミュニケーションの場は、いままでテレビのCMからWebの動画へと成り替わってきているのです。

またテレビのCMは尺や表現に細かな制約があり、企業や自治体が発信したいメッセージを丸々届けられるというわけにはいきませんでした。
それがWebとなるとそのような尺や表現手法の障壁がなくなります。

その結果、ストーリーで理念や姿勢を表現するブランデッドムービーという手法が台頭してきたのです。

選ばれる理由が必要

2つ目の理由に、企業や自治体には「選ばれるための理由が必要」になったということが挙げられます。

一体どういうことでしょうか。

現代は供給が過多になっており、世の中に商品やサービスがあふれるようになってきました。
例えばシャンプー1つを購入しようとしても、壁一面に並んだ商品の中から選ばなければなりません。

そして技術の革新により、性能や質による大きな差別化も難しくなってきています。

そうなった今、選ばれるためには「理由」が必要になってきているのです。

それは商品力のみならず、企業や自治体の理念や姿勢にまで派生してきています。
企業・自治体のブランドそのものを好む、いわばファン作りを目指す必要が出てきたというわけです。

ファンを増やすために、ブランデッドムービーは適した手法であると言えます。

ブランデッドムービーのメリット

ブランドを魅力的に伝えることができるブランデッドムービーですが、そのメリットはなんでしょうか。

ストーリーが持つ力がそのメリットを作り出しています。

印象に訴えかける訴求力

ブランデッドムービーで表現することのメリットとして一つ上げられるのは、「印象に訴えかける訴求力」です。

理念や姿勢などのブランド感というのは抽象的な概念で、言語的に説明をするのは大変難しい部分です。
しかし、顧客にとっては購買の際、選択に重要な影響を及ぼすファクターとなるので、訴求を欠かさずに行いたいものであるはずです。

そこでストーリーの力を借りて、ブランデッドムービーという形をとることで、視聴した人々に印象強く訴求が可能になります。

面白く感動的な物語は頭に残りやすく、顧客の心をつかんでくれるのです。

共感が得やすい

ブランデッドムービーのメリットをもう一つ紹介すると、「共感を得やすい」という点が挙げられます。
ドラマ、ドキュメンタリー、アニメ、いずれの表現手法でも、ストーリーというのをキーワードにイメージを伝えていくのがブランデッドムービーです。

視聴者はそのストーリーに自己投影をし、自らの体験や境遇と重ね合わせながらコンテンツを視聴します。

そこで表現されたメッセージには押しつけがましさがなく、共感を得やすい構造になっています。

ブランデッドムービーの事例

ここからはブランデッドムービーの事例を紹介していきます。
良作の先行事例の中から、自社にも活用できるヒントを探してみましょう。

ダヴ『リアルビューティースケッチ|あなたは自分が思うよりもずっと美しい』

ダヴ『リアルビューティースケッチ』

ブランデッドムービーの金字塔的存在です。
ブランドを信じる理由を与えてくれるような作品になっています。

ダヴ『リアルビューティーID|本当の美しさを閉じこめないで』

ダヴ『リアルビューティーID』

リアルビューティーシリーズの日本版です。
こちらも消費者に寄り添う良作です。

北欧、暮らしの道具店『青葉家のテーブル』

動画活用を精力的に行う「北欧、暮らしの道具店」の作品です。
『青葉家のテーブル』シリーズは映画化したことからも、その人気の高さがうかがえます。

freee『ムカチノカチカ』

freee『ムカチノカチカ』

freee株式会社が主宰したスモールビジネス映画祭2020で公開された作品です。
実話をもとにしたストーリーが視聴者の共感を引き出します。

佐賀県上峰町『あたらしいふるさと』

上峰町『あたらしいふるさと』

ふるさと納税のプロモーションのために制作された作品です。
心温まる親子のストーリーで、多くの視聴者から高評価を集めています。

早稲田アカデミー『へんな生き物』

早稲田アカデミー『へんな生き物』

早稲田アカデミーのブランデッドムービーです。
第53回ギャラクシー賞優秀賞受賞(CM部門)、 第69回広告電通賞最優秀賞受賞(テレビ広告/教育・文化・娯楽部門)を受賞しています。

ith『ぬくもりが宿る結婚指輪』

ith『ぬくもりが宿る結婚指輪』

ブランドの理念を表現したドキュメンタリー作品です。
お客様に寄り添う姿勢を分かりやすく表しています。

近畿大学『フレーフレー食堂』

近畿大学『フレーフレー食堂』

学校がブランデッドムービーに取り組んだ例です。
大学の理念をコミカルなドラマ仕立てで発信しています。

まとめ

ブランデッドムービーは、今はひとつのブームのようにも見えますが、今後も増えていくと予想されます。
御社でもこの流れに乗って、ブランデッドムービーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか