動画マーケティングとは、動画コンテンツを活用し今まで出会えなかった潜在顧客との接点を創出する、マーケティング手法の一つです。
昨今ではコロナ禍のため直接的な営業活動が制限されるなどの影響もあり、遠隔でコミュニケーションが取れる動画の重要性はますます高まっています。
BtoCのイメージは浮かびやすいですが、BtoBの動画活用とは一体どういうものなのでしょうか。
この記事では、BtoBの動画マーケティングについて知りたい方へ、その効果やポイント、課題への解決策などについて解説していきます。
目次
動画マーケティングとは
動画マーケティングとは文字通り、動画コンテンツを用いてマーケティング活動をすることです。
しかしこれだと漠然としています。
ここで今一度マーケティングの定義を簡単におさらいしていきましょう。
動画マーケティングの定義
Wikipediaでは、マーケティングの定義について、以下のように書かれています。
『企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。』
Wikipediaマーケティングとはより引用
つまりマーケティングとは「商品やサービスについての情報を顧客に対して発信し、その価値を感じてもらい購買に結び付ける」ことです。
これをもとに動画マーケティングについてもう一度考え直してみると、「動画を使って、顧客のニーズに合わせたメッセージを発信していくこと」と言いかえることができます。
動画を通じて顧客との接点を作り出し、自然と買いたくなる道筋を作り出す。
この取り組みのことを、動画マーケティングというのです。
動画活用施策の効果
動画を活用してマーケティングを行う中で、実際どのような成果が得られるのでしょうか。
動画活用の実施経験がある担当者に対して取り組みの成果について、アライドアーキテクツ株式会社が2021年に調査を行っています。
出典:「企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021」を実施 【アライドアーキテクツ株式会社調べ】
実に動画活用の実施経験がある担当者の約60%が、静止画の活用と比べて成果が向上したと回答しています。
現在DX推進や、withコロナによるオンライン営業の必要性の高まりで、動画を活用したマーケティング活動はさらなる広がりを見せています。
このように動画活用は新たな施策として取り組むべき価値があるのです。
BtoBにおける動画マーケティングの役割
多くの企業がその成果を実感している動画活用ですが、取り組むことで期待できる動画の効果を紹介していきます。
認知の獲得
スマホの普及により、いまやほとんどのビジネスマンが仕事、プライベート問わず、毎日webを利用しています。
動画マーケティングはweb上で展開されることが多い施策です。
継続的に顧客に接触したい、コンテンツを拡散させたいときに、動画は親和性を発揮してくれます。
また動画は文字や静止画に比べて記憶に残りやすく、認知を獲得する上でアドバンテージがあると言えます。
製品サービスの魅力訴求
動画の情報伝達能力は、文字と比べると約5000倍と言われています。
それほど動画は多くの情報を届けることができるため、製品・サービスの価値を伝えるという場面に最適です。
例えばツールの操作感の簡単さをアピールしたいときには、デモ画面を見せることで瞬時に説明が可能です。
他にはサービスを受けるときの雰囲気など、文字では難しい感覚的な部分も訴求することができます。
企業のブランディング
動画を活用し企業のブランディングを行う企業も増加しています。
メッセージ内容のみならず、動画自体のトーンがその企業の姿勢や振る舞いを体現してくれるため、視聴者に伝わる部分はより豊かになります。
動画特有の表現力が視聴者の共感を引き出し、企業への顧客ロイヤリティの育成に効果を発揮します。
またブランディング動画は顧客に加えて、就職活動中の学生に対してのプロモーションにもなり、採用広報の分野でも大いに役立ちます。
既存顧客のエンゲージメントを高める
動画マーケティングは潜在顧客への接触にとどまらず、既存顧客の育成も含みます。
例えば製品を購入済みの顧客に向けて、製品活用のためのレクチャー動画などを発信するなどがこれにあたります。
すでに顧客となった人々を支援するようなコンテンツを提供することになり、顧客のエンゲージメントを高めるのです。
BtoBの動画活用シーン
様々な効果が期待できる動画活用ですが、実際にはどのような場面で使われるのでしょうか。
BtoB企業が動画を活用する具体的なシーンを見ていきましょう。
SNS広告
YouTubeやInstagramなどのSNSで流される広告は、いまや動画マーケティングの主な手法のうちの一つです。
最近はBtoCのみならず、BtoBの多くの企業がSNS広告を活用しています。
テレビなどのマス媒体に向けたCMに比べて出稿料が安く実践できるのが特徴です。
高いインプレッションを見込むことができます。
YouTube視聴時などに流れるインストリーム広告や、SNSに投稿形式で置かれるインリード広告などが該当します。
他にもWebサイトのバナーの位置で流れる、インバナー広告などもあります。
導入事例動画
製品やサービスをすでに活用している既存顧客から、導入後どのように課題解決や成果達成をしたか語ってもらうものが導入事例動画です。
インタビューを主軸に構成されます。
顧客が意思決定をする際に参考にされることが多く、主にIT系企業がこの手法を活用しています。
動画は人々の表情や語り口などを描写することができるため、製品・サービス導入の効果をより実感を持ったコメントで伝えることが可能です。
展示会映像
展示会というオフラインのマーケティング活動でも、動画コンテンツが活用されます。
様々な企業がブースを構える中、モニターに流れる動画はアイキャッチとなり、来場者の足を止めさせるのに有効な手立てになります。
さらに製品やサービスの内容を端的に分かりやすく訴求してくれるため、来場者の理解が深まりやすくなります。
交通広告
トレインチャンネルやタクシー広告など、交通機関に設置されたディスプレイに流れる広告です。
電車やタクシーの中ではスマホを使うことが多いため、その場で検索してもらうなどコンバージョンにつながりやすい傾向があります。
特にタクシー広告は、タクシーを利用する人々にビジネスマンが多いことから、BtoB企業の広告を流すのに適しています。
ウェビナー
Web上で集客する手段として、現在注目されているのがウェビナーです。
自社に蓄積しているノウハウについてのセミナーを、zoomやYouTubeなどの配信プラットフォームで開催します。
ウェビナーの後に相談会やお問い合わせなどに誘導すれば、コンバージョンを獲得できます。
またアーカイブの公開で、開催後も継続的に集客が可能です。
取り組む際のポイント
様々な効果が見込まれる動画マーケティングですが、実際にBtoB企業が施策を始める際には押さえておきたい点があります。
制作前にポイントを把握し、より費用対効果の高い動画を目指しましょう。
BtoBビジネスにとっての顧客とは、消費者個々人ではなく企業全体です。
また決裁者や担当者が別々に存在し、意思決定のプロセスはBtoCに比べて複雑です。
複数の人々が意思決定にかかわるからこそ、誰に向けてメッセージを送りたいのか、明確にしておく必要があります。
製品・サービスの魅力を一番に知ってほしい人は誰か、誰にとって役立つものなのか、それをはっきりと定義しておきましょう。
ターゲットを想定する際にはペルソナを用意しておくのが有効です。
購買の意思決定の時に、企業の中で誰がキーマンになるのかしっかり見極めましょう。
動画コンテンツを活用する上でカギとなるのは、動画はメッセージであるという視点です。
例えばプレゼンを行うときを思い浮かべてください。
伝えたい情報が10あったとしても、話の流れや視聴者の状態を踏まえて、内容は取捨選択されます。
動画もそれと同様です。
多くの情報を伝えやすい媒体だからといって、内容を詰め込みすぎてしまうと話の要旨を読み取ることが難しくなってしまします。
的確に情報を受け取ってもらうためにも、発信するメッセージは軸がぶれないよう、あらかじめ確定しておきましょう。
動画は文字情報と異なり、表現手法が豊かに存在します。
例えばインタビューを主体に構成をするものやナレーションを入れて第三者に解説をさせるもの、アニメーションやCGでグラフィカルに見せる手法など、多岐にわたります。
誰に何をメッセージするかを決めた後は、どんな手法で相手にそれを伝えるのかコミュニケーションの方法を考えましょう。
ここで注意が必要なのは、手法ばかりに目を向けてしまいターゲットには適さないコミュニケーション方法をとってしまっていないかという点です。
子どもが好むようなしつらえのアニメは、企業に勤めるビジネスマンに向けた動画に適しているでしょうか。表現手法に囚われてしまうと、このようなギャップが生まれてきてしまいます。
あくまでも「誰に」「何を」の部分が根底にあり、表現手法はその次であることを忘れないようにしましょう。
課題の解決策
アライドアーキテクツ株式会社は、動画活用を行う上で企業が直面する課題についても調査、発表しています。
出典:「企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021」を実施 【アライドアーキテクツ株式会社調べ】
これらの課題は多くの企業を悩ませています。
その中からいくつか抜粋し、課題解決の方法を紹介します。
費用の問題に関しては、ずばり内製と外注を状況に合わせて使い分けることをお勧めします。
しかし制作費ばかりに気を取られ、安易に内製を選ぶのは危険です。
なぜなら動画制作の工程は、その施策内容によって求められるべき条件が変わるものであり、内製ではその条件に見合わない場合もあるからです。
最も優先されるものがクオリティである時、プロに外注する体制が適しています。
よく検討をして、クオリティよりも安価や量を求める施策だと決めたのあれば内製を選択します。
企画の時点で何に重きを置くのかを明確にしておき、制作の体制を使い分けて予算を節約していきましょう。
また動画制作を内製化する際は、それなりの負荷がかかることを覚悟しておきましょう。
場合によっては他の業務に影響を及ぼすほど、動画制作にかかりきりになってしまうこともあります。
内製をする際にはワークフローをあらかじめ作っておき、スピード感を持って量産できる仕組みを整えましょう。
ワークフローについて学ぶには、Adobe Creative Stationが公開しているウェビナーがおすすめです
人材やノウハウ不足への心配がある時は、コンセプトメイクや企画から参画可能な映像制作会社に依頼することをお勧めします。
映像制作会社によっては撮影、編集部分だけを担当し、動画の企画部分は企業の担当者が行うという体制で進めることが前提になっていることもあります。
しかし動画という手法を活用する際に一番大切なのは、前にも既述したように「誰に何をメッセージするか」というコンセプト作りの部分です。
ノウハウが不足しているのに、自社だけで最も重要な部分を行うのは難しいでしょう。
ぜひ企画時点から並走してくれる制作会社を選んでください。
制作業務を外注していて時間の掛かり方に不満がある場合は、制作体制を見直してみましょう。
チェックや修正指示を行う際にタイムロスをなくすには、実制作を行うスタッフとどれだけ近い距離でやり取りできるかが関係してきます。
代理店を経由して仕事を依頼するとクオリティの面では担保されますが、やはりコミュニケーションにロスが発生します。
また他にも撮影編集は外部のフリーランスディレクターに任せて、制作会社が窓口となっている体制もありますが、それでは実制作をしているディレクターとのやり取りに時間がかかってしまいます。
制作会社の業務形態を確認し、コミュニケーションのロスを軽減できる直接やりとりする体制を構築しましょう。
まとめ
web上の情報伝達が得意な動画コンテンツは、BtoBのマーケティング活動にも高い親和性を発揮してくれます。
ポイントや課題点を押さえながら動画活用に取り組むことで、効果的な施策となるでしょう。
課題に直面し解決策にお悩みの場合は、映像制作会社にご相談ください。
動画活用についてのお悩みやご検討ごとがある企業の皆様に、無料相談の場をご用意しております。
是非お気軽にお問合せください。