採用動画の新常識!就活生の心をつかむ動画のコツを徹底解説 | MOTION.net

採用動画の新常識!就活生の心をつかむ動画のコツを徹底解説

採用広報のイメージ

今や採用広報で動画を活用するのは当たり前ですよね。
新卒採用のために、各社が動画を制作・公開しています。

しかし採用動画について、実はあまり知られていないコツがあるのはご存じでしたか。
今回は「採用広報動画の新常識」ということで、知らないともったいない採用広報の動画活用のポイントをご紹介します。

採用フェーズに合わせた動画活用が始まっている

採用動画を説明会や採用広報用のwebサイトでの公開のために制作する企業は多いでしょう。
しかしそれは実は今までの常識です。

いまの採用広報活動というのは多岐に渡っており、動画で狙える接点は説明会やwebサイトのみに留まりません。
採用広報に成功している企業ほど動画活用を柔軟に行い、場面を選んで効果的な動画でのコミュニケーションをおこなっているのです。

それでは、どのような接点があるか具体的に見ていきましょう。

説明会・webサイト

以前より就活生との接点として使われてきた説明会やwebサイトですが、ここで公開される動画の狙いは就活生に企業理解を促すことです。

理念や社歴、社員の顔が見えるような動画が多い傾向にあります。

ただし、多くの就活生は短い期間にたくさんの企業で、同じような動画を視聴しています。
動画の企画を競合企業と差別化をすることで、頭に残りやすく理解促進もしやすくなります。

インターンシップ募集

多くの学生が体験するインターンシップですが、実質的な採用活動の一環になっているのはご存じの通りかと思います。
そんなインターンシップ募集でも動画活用をすることで一定の効果を生みだすことができます。

インターンシップでは、学生たちに自社に対して好印象をもってもらい、モチベーション高く参加を検討してもらうことが必要です。

そのため動画を制作する際には詳細な仕事内容よりも、その企業の本質的な部分や理念を伝えるような動画がトレンドになっています。

ここで例としてJR東日本のインターンシップムービーを紹介します。

JR東日本 インターンシップムービー

内定者フォロー

採用活動が進みいよいよ内定が決まった際には、各社が工夫を凝らして内定者フォローを行っています。
ここで行われる施策はイベント的な要素が強く、内定した優秀な学生から内定辞退が出ないようにするための、離脱防止の策となっています。

自社や同期に愛着を持たせるようなコンセプトで動画を活用するのが良いでしょう。

ここである金融系企業の取り組みを一例として紹介します。
その企業では内定者たちにグループを組ませ、自ら動画を撮影・編集し、翌年の就活生に向けた採用広報動画として活用するというイベントを行っていました。

プロが制作したものと比べるとクオリティは決して高いものとは言えないかもしれませんが、内定者間の結束は高まりなおかつ社内のリアルな雰囲気が伝わる動画として、採用広報の面でも大いに役立つ施策になったそうです。

またこのエピソードを採用担当者が説明会や面談時に披露をすることで、ひと味違うプレゼンができたり、結束力の高まりのおかげか社員がOB訪問などの採用活動により積極的に参加するようになったりと、副次的な効果もあったとのことでした。

ここでは採用活動の3つの場面を紹介し、それぞれのフェーズごとに活用される動画についてお話してきました。
どれが自社にとって最も効果を発揮しそうか検討しながら実際の採用広報活動の軸を決めていくのが良いでしょう。

学生が知りたいことを疑ってかかれ

「採用広報の新常識」の2つ目は「学生の知りたいことを疑ってかかれ」ということです。

採用活動の際、動画の受け手となる相手はもちろん学生です。
学生に有益な情報を届けることが最重要課題となるはずです。

それなのに学生の知りたいことを疑うとは、一体どういうことなのでしょうか。

“社員の1日”って本当に知りたい?

説明会やwebサイトで公開することを想定された、就活生に向けた動画の多くに起用されている企画があります。
それは“社員の1日”です。

若手の社員が実際に働いている様子をインサート映像として挟みながら、インタビュー形式で1日の働き方について描いていく動画です。
これは多くの就活生が社員の働き方について興味を持っているという理屈のもと作られている動画です。

しかし、本当に学生が「知りたいこと」なのかどうか、疑ってかかったほうがいい理由があります。

人気企業ランキングの矛盾

毎年発表される就活生に人気の企業ランキングというものがありますが、そこには大きな矛盾が存在しています。

学生は働いたことがないので、企業そのもののことや社会のことを完璧には知らないはずです。
一橋大学の楠木健教授は人気企業ランキングを「ラーメンを食べたことのない人の、人気ラーメン店ランキング」と評しています。

学生が持っているのは狭い想像力と不確かな情報なので、いい企業かどうかなど判断できないのです。
同様に企業側に知りたいと求める情報も、学生の想像力の中だけで発想されます。

学生の要望に則って“社員の1日”動画を公開しても、本当に入社意欲をそそられるようなきっかけになり得るとは限らないのです。

伝えるべきは人事が考えるアピールポイント

採用広報で必要なのは、企画の切り口を決めつけて考えないことです。

本来は自社のことを最もよく知っている人事の立場で、自社のアピールポイントを真剣に考え、発信する切り口とコンセプトを決めるべきなのです。
それは企業ごとに全く異なるはずですから、いまのようなすべての企業が同じような企画になることにはならないでしょう。

例えばベンチャーと伝統ある大手企業が発信するメッセージは変わってきます。
ベンチャーならその成長力と新たな事業への挑戦を魅力的に描くのが良いでしょう。
反対に大手企業ならば、社会・経済を支えている様子、顧客に愛されていることなどをアピールできます。

このように学生が「知りたい」とされていることが、入社の意志を醸成する上で本当に有益な情報なのかは疑わしいということがお分かりいただけたかと思います。

入社意欲を掻き立てるような動画の企画の種というのは、人事担当者から見た会社の魅力の中にあるのです。

動画の持つ強みを採用活動で最大限に生かすには

前述したとおり採用広報で動画を活用する施策は、いまや当たり前になっていますが、ただ漫然と動画を使っても、その効果を最大全発揮できず実にもったいないことになってしまいます。

特に採用動画において、動画ならではの表現力を使って伝えたいことを発信していくポイントを具体的にご紹介します。

ワンカットで伝わる本質

まず1つ目に意識すべきなのは「動画だからこその訴求力の高さ」についてです。

動画は文字や静止画以上に印象に訴えかけることができるメディアです。
同じものでも演出や見せ方で、大きなインパクトを残すことができます。

例えば採用広報動画で言えば、1つのカットで企業の本質や社員たちの業務の意義まで、語らしめることができるのです。
企画やコンセプトをしっかりと練り、それに合った発想から生み出された演出の力で、「本質を語るワンカット」を生み出すことが可能になるでしょう。

それには人事担当者として自社の本質を見つめなおす工程と、それを代理店や映像制作会社に伝え、アイデアを生み出してもらうための綿密な打ち合わせの時間が必要になってきます。

人柄や雰囲気を伝える

2つ目は「非言語情報の力」を理解することです。

動画は人や環境を描写するのに適したメディアです。
なぜなら動画は人柄や雰囲気など非言語的な情報や印象を伝えるのに長けているからです。

社員の表情の作り方や語り口が、会社がどのような環境なのか、その印象を伝えてくれます。

本来メインとして発信されているメッセージ以外に、社風や社員の人柄などといった副次的情報もプロモーションができるという発想を持っておくとよいでしょう。

例えばLOFTの採用動画はそれが顕著に表れています。
社員たちのトークの内容もメッセージされていますが、それと同時に雰囲気の良さが感じられます。
仕立てのアイデアもさることながら、社員たちの人柄や雰囲気を通してLOFTの社風・企業文化を印象的に伝えることに成功している点にぜひ注目してください。

LOFT 採用広報動画『台本のないチーフ座談会』

このように動画が持つ非言語情報を伝える力を使って、採用広報活動をより豊かにしていきましょう

まとめ

採用広報を専門として引き受ける代理店の中には、この新常識を知らずに旧来の手法をお勧めしてくる会社もあります。

採用広報会社の話だけを鵜呑みにせず、この新常識をもとに有効な動画活用を行えるようにしていきましょう。